財団の理念

公益財団法人 岩國育英財団とは

平成5年3月1日、財団法人岩國育英財団の設立が、文部大臣より許可されました。
岩國修一氏が、個人資産(現金5億5百万円、同社の株式約16億6千万円相当分)を拠出した財団です。

本財団の目的は、学資の支弁が困難と認められ、かつ、意欲と能力に優れた、大学または大学院の学生に対して奨学援助を行い、もって、社会有為の人物の育成に寄与することにあります。

岩國修一初代理事長について

岩國修一氏は、昭和48年(1973年)11月の(株)セブン-イレブン・ジャパンの創立に参画。株式東証一部上場とその後の成長発展に伴って実施された増資・株式分割の結果、個人としては多大の資産を形成するに到りました。

平成4年(1992年)、同社の取締役退任を機に、その資産の有効活用を通じて社会貢献を続けたいものと考え、その方法を検討した結果、次世代を担う青少年に国籍を問わない援助を思い立ち本財団を設立、初代理事長に就任され、情熱を持って学生の育成・援助にあたってこられました。病を得られて平成24年4月、名誉理事長となられ、現役や卒業生の奨学生を見守り続けられましたが、令和2年2月26日、ご逝去なさいました。

設立の理念−岩國修一初代理事長のメッセージ

学生時代をいかに過ごすべきか。
この問いに絶対的な答はないでしょう。

岩國育英財団では、この時期はできる限り幅広い見聞と深い思索と、そして仲間との高度な討論に時間を費やす時期と考えます。日本は今、成果や結果を優先したことによる弊害が生まれています。我々は、生き方のプロセスを重要視していきたいと考えています。「失敗しない人生」を求める人に成功はありません。常に新しいことに挑戦する人を我々は求めています。

その人とは、与えられた枠組みの中で機能する“人材”ではなく、自ら新しい枠組みを創造する、いわば“人物”です。
思いつきや亜流ではない真の創造性、我流ではない独創力、エゴではない自己主張、安易な妥協ではない協調、和して同ずることのない個性、そしてこれらを自らの内に育て、それを自分一人のためではなく、社会への貢献を目指す志の高い人物、その人物達が研鑚と思索の時間を得ることに、当財団の奨学金がその一助となるならば、これに優る喜びはありません。

平成5年3月

財団法人 岩國育英財団
理事長 岩國 修一